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「ピンクリボン」は早期発見、早期診断、早期治療の大切さを訴えるシンボルマークです。ピンクリボン運動は「ピンク」、「リボン」という愛らしいカラーとモチーフに「乳がん」で亡くなる人を少なくしようという思いを託し、それぞれの人に届ける運動です。
 この運動は女性の8人に1人が乳がんを患うといわれている米国で80年代から盛んになりました。行政、市民団体、企業などが乳がんの早期発見を啓発するためのイベントを展開したり、ピンクリボンをあしらった商品を販売して収益を研究団体に寄付したりする運動が積極的に行われました。その結果、検診率が高まり乳がんによる死亡率は低下しました。
 日本人女性がもっともかかりやすいがんが乳がんです。女性の30人に1人が乳がんになると言われており、また、乳がんで亡くなる女性の数も急増しています。2003年に乳がんで亡くなった女性は9805人(厚生労働省 人口動態統計)で、その半数が30歳代から50歳代でした。
乳がんが増加している原因には、食生活の変化で脂肪分の多い食事が増えていることや、社会生活の変化で未婚や高齢出産の女性が増えている事などが関係していると言われています。また初潮年齢の低下や閉経年齢の上昇も乳がんになるリスクを高めています。さらに乳がんを患ったことのある家族を持つ人は一般に乳がんになるリスクが高くなるとされています。
 古くは、乳がん患者会などが乳がんの早期発見の大切さを訴えるための活動を行なってきましたが、2000年頃から、日本の乳がん事情に危機感を抱いた専門医などがNPO法人(乳房健康研究会、J.POSH)を立ち上げたり、また外資系企業が中心になって独自で啓発イベントを実施したり、ピンクリボンをあしらった商品販売をするなど、乳がんの早期発見を啓発するための活動がスタートしました。
 乳がんは早期に発見・治療すれば、治癒率が高いがんです。
ごく早期の場合には、ほぼ95%が治ると言われています。また、乳房の形を残せる温存術が可能なことが多く、手術後の精神的なダメージも少なくてすみます。乳がんの早期発見には、自分で月1回は乳房のしこりを調べる自己検診が重要ですが、加えて医療機関での定期検診を受けることで発見率は高まります。
 これまで乳がん検診というと、しこりの有無を見たり触ったりして確認する視触診が主流でしたが、最近では視触診に加えて、先端の画像診断装置を利用して、しこりになる前の小さながんやしこりにならないタイプのがんの発見が可能になってきています。また万一がんが発見された場合、他の部分への転移や治療後の再発をいち早く見つける検査方法も開発が進んでいます。
★1年に1回はマンモグラフィを受けましょう。★  
自己検診に加えてマンモグラフィ(乳房X線撮影装置)や超音波診断装置による画像診断を定期的に受けることで、乳がんの発見率は高まります。 ※ マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影装置です。しこりとして触れないごく早期の乳がんも発見できます。